東洋のバラをひとつ置いて 理由なんかなくていい 見知らぬ彼女が振り返って 「あなたが忘れただけ」 太陽は眩しすぎて 暗いところが好きだと言う 誰かが「誰?」と尋ねたら どこかで It's me 意味なんてあとからついてくる 名前なんてなくてもいい ひとつ拾って またひとつ なんとなく こっちへ なんとなく なんとなく どこへ行くかも知らないまま なんとなく なんとなく それでもなんかいい 目的なんてなくたって 遊んでたら何かになる ひめの庭を夜の二時 黒猫が通り過ぎる 「Chat」って呼んでみた それは名前か 名前じゃない 黒猫が一音だけ「 にゃと鳴いて 消していく 野という字を置いたなら 里と外のあいだになった AIのことを考えてたら 金魚が棺桶から起きた Chaosなんて笑ってたら 三匹の金魚が泳ぎ出す モネの水面に溶けながら 何が本当かわからない なんとなく なんとなく 決めないから見つかるもの なんとなく なんとなく 「これ私じゃん」って笑った 昨日まで来なかった猫 二ヶ月ぶりの午前二時 カメラの中を横切って 何もなかったように 帰ってくる どうして来たの? なんとなく どうして今? なんとなく どこへ行くの? 知らない それでも足跡だけ残して 黒い影は夜へ消える なんとなく なんとなく 理由のないものを拾って なんとなく なんとなく 世界を少し面白くする バラも 太陽も 黒猫も 金魚も AIも 私も 最初から 決めなくていい なんとなく それでいい