窓がない部屋と聞くと、多くの人は息苦しそうだと思うようだ。
でも、私が窓をなくしたのは、快適さを求めてのこと。
家の角にある三畳間のリフォームで、それまであった大きな窓を塞いだ。
この古い木造住宅は、夏は猛烈に暑く、冬はヒーターを使うと窓の結露がひどい。
私は、一年の中で一番厳しい時期を基準に考えた。
春や秋の快適さではなく、真夏と真冬を少しでも楽に過ごせるようにと。
だから、この部屋には窓がない。
この部屋で過ごしてから、車道を走る車の音が和らいだ。
隣の家の換気扇から流れてくる料理の匂いも感じなくなった。
寝室ではなくこの部屋へベッドを移して眠るようになって、あることに気づいた。
「私はこの部屋で安全を感じている」。
この壁(壁紙はピンク)が心理的なガードになってくれている。
覗く目もない、ノイズも少ない、私だけの空間ができていた。
ここを庵間あんまと名付けた。
その頃、にわかに大和言葉や古語を楽しんでいたので、和歌のまねごとをして作ってみた。
素直に書けたと思っている。
