ルイ14世は兄のバラ。
兄が入院している間、私が代わりに世話をしている。
今年の新苗なのに、その成長には驚かされる。
毎日のように見ているのだ。
「芽が出たかな?」
ちゃんと見ているつもりなのに、気づけばもう立派な蕾になって膨らんでいる。
葉もふさふさと茂っているから、つい芽を見落としてしまうのだと思う。
兄もその勢いに驚いていた。
新苗だけど、兄は一輪だけ咲かせた。
私は実物を見ていないけれど、写真を見た瞬間、「いい」と思った。
黒薔薇と呼ばれる理由がわかる色だった。
私は赤い薔薇にはあまり惹かれない。
でも、ルイ14世は好きだ。
新苗だから、株を育てるために蕾を摘む。
私にとっては、二年ぶりの作業。
今朝摘んだ蕾は、萼の隙間から少しだけ赤い花びらが見えていた。
「あの中に、あの黒薔薇が眠っている」
そう思うだけで、咲かせたい衝動に駆られる。
でも、我慢。
来年まで長いな。
