少し前までは、赤い実を見ていた。
季節が進んで、その実もほとんどなくなって、「ああ、終わったなあ」なんて思っていた。
今朝、少し寂しい気持ちで、ちらっと目をやったら、枯れ木のような棒がそびえ立っていた。
「なんだこれ?」
私は、その正体を知ってしばらく立ち尽くした。
そして独り言。
「あなたタケノコだったの?」
「竹になってく姿?」
「下から剥がれるんだ〜!」
以前、この場所で小さな笹を見て、「竹?」と思ったことがあった。
細い竹みたいだと思った。
その時、自分でも不思議なくらい、強く竹を感じたんだ。
だから今朝は、驚いた。
やっぱりこの野には、竹がいたんだー!
赤い実の季節が終わって、景色が少し寂しくなった頃に、今度は竹が現れた。
